s.otsuki’s diary

駆け出し研究者。少しずつでも発信します。

RNA interference

piRNAについて勉強するために、RNA interferenceについてまとめる。

わかっていたつもりが、意外と難しい。

Essential Cell Biologyなども参考に読んだが、第3版であり、ncRNAに関する研究は近年急速に進んでいるのであまり当てにしない用が良いかもしれない。今日は理解しきれずに現時点での理解を記録する。とくにsiRNAについて錯乱しているところが多い。

 

RNAinterferenceについて

en.wikipedia.org

 

miRNA,siRNA,piRNAがある。
これらのRNA分子がRISCの中に入り相補的なRNAに作用する。

RISCRNA-induced silencing complexの略語であり、その構成分子がmiRNA,siRNA,piRNAのどれかによって異なる。miRNA,siRNAはArgonaute、piRNAはPIWIである。piRNAはそもそもPIWI-interacting RNAの略である。

 

前駆体は

miRNAは2本鎖RNA
siRNAは外来性2本鎖RNAとEssentialには書いていたが、どうやらヘアピンRNAや長鎖二本鎖RNAらしい。
piRNAは1本鎖RNA

役割は

miRNAはmRNAの翻訳制御、特に発達段階に関わる。

siRNAは外来性RNAをもとに作られるので細胞の防御機構としてはたらく…と思っていたがそんな単純ではないらしい。「生体防御機能の一環として進化してきた」ということらしく、転写後調節に関わっていることとしてはmiRNAと代わりない。ノックダウン技術として応用される。
piRNAはトランスポゾンの発現の抑制にはたらき、生殖細胞において重要な役割を果たす。

siRNAについて、理解しかねているが、wikipediaによると

siRNA is also similar to miRNA, however, miRNAs are derived from shorter stemloop RNA products, typically silence genes by repression of translation, and have broader specificity of action, while siRNAs typically work by cleaving the mRNA before translation, and have 100% complementarity, thus very tight target specificity.

らしい。siRNAの方が特異度が高く、mRNAを切断してしまうためより強い制御をしていると言える。

それぞれの塩基対の大きさも大事な違いらしい

miRNA 22bp

siRNA 21bp

piRNA 26-30bp
 

 piRNAについて深めてみる

leading.lifesciencedb.jp

このサイトを読んでみたが、正直全然わからない。
分子的機構の細かい説明はどのように処理すればいいか、そもそもどこまで知る必要があるのかわからない。そんなに細かく理解しなくていいこともわかるが、当然ながら全く理解しなくていいというわけでもない。

ひとまず、序盤のmiRNAとの比較は非常にわかりやすい。転写後の調節のみならず、ヒストン修飾による転写の調節が行われていることが非常に興味深い。

また、トランスポゾンの発現を調節するのがpiRNAだが、それはどこから転写されるかというとトランスポゾンの残骸piRNAクラスターやトランスポゾンのRNAかららしい。ややこしいし、よくわからない。

 

 次に、ショウジョウバエの例について。例は3動物挙げられているがこれだけに絞る。

ポイントは2つ。

  1. どの領域から転写されるか?-ユニストランドvsデュアルストランド
  2. どの経路で生成されるか?-プライマリ経路vsピンポン経路

1.

piRNAクラスターにはユニトストランドクラスターとデュアルストランドクラスターがあり、ユニストランドクラスターの方が単純でmRNAに似ている。デュアルストランドクラスターはH3K9me3をRhinoが認識し、内部からの転写を活性化するということだけ覚えておく。

2.

2.1 プライマリ経路−難しいのでフレーズで整理

  • シス配列にYbが結合する
  • Zucによりウリジンの前で切断される
  • Piwiに取り込まれZucによりさらに切断される
  • Hen1により2'-O-メチル化修飾を受ける→成熟piRNA
  • 生殖細胞と濾胞細胞で生成の場が異なる
  • EgglessのリクルートによりH3K9me3がおこりトランスポゾンを負に制御する。

2.2 ピンポン経路

  • プライマリ経路で生成されたアンチセンスpiRNAがAubに結合し、トランスポゾンRNAを切断する
  • 切断されたRNAがAgo3に取り込まれpiRNAクラスターの転写物を切断する。
  • これがAubに取り込まれる。
  • これがループする
  • 3'末端の形成はZucやNibblerによるとされている。

 

これくらいのレベルのまとめるのに2時間はかかってしまった。
本来は読むだけで理解できればいいのだが、現時点では書かなければ脳の処理が追いつかない。

本日のセミナーは蚊のpiRNAのアンチヴァイラス機構について。理解できるか不安ではあるが少しは楽しみになってきた。

 

 

 

(以上)